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【お金のこと】厚生年金と健康保険料の税率に不公正感を覚えるので視覚化してみる

お金は大事です。

給与明細の社会保険料や税金で差し引かれる分を眺めてため息が出ます。

特に年金と保険は何か不公正感が否めません。実際どれくらい差し引かれるものなのか一覧で見てもわからないので、グラフにして視覚化してみます。

日本の給与所得者の収入と人口

まず、日本で給与所得で生計を立てている人の収入と人口ってどうなんでしょう?

↓のグラフを見てください。これは全年代・男女含めた給与所得者と人口を表しています。

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資料は「令和元年民間給与実態統計調査」P27です。

年収で見ると実感がないので月収にしています。

横軸の右側の項目があいているのは、元の資料が年収100万円単位だったのに、いきなり500万円単位になったから、金額的な距離を表現するためにあえて空けています。

「月給83万円~」のところで人口が跳ね上がって見えますがここは「100万円単位のところの5倍分の層が入っているから」ということになります。庶民には関係ないですね。

実際、私は中央値より低いところにいるので、そんな富裕層・年収1000万とか関係ありません。

厚生年金の徴収額

↓は厚生年金でとられる額と収入のグラフです。健康保険のグラフも似たような感じです。

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令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)」のP1の表から作ってます。

オレンジの線が収入で、グレーの線が厚生年金の負担額です。

会社との折半なんで納入額はこの倍になります。

このグラフを見た感想は「金持ちって全然年金払ってねぇんだな」です。

標準報酬の不公正感

厚生年金も健康保険も標準報酬によって徴収額が決まります。

「4・5・6月の給与所得」の平均額から標準報酬を決め、その額にその年の保険料率をかけた分が厚生年金の徴収額になります。

不公正感①

3~5月が稼ぎ時な職業だと、本当の平均月給より多い額が標準報酬に設定される。

例えば、1~3月・7~12月は20万円だけど、4~6月は25万円もらってる場合。年収255万円・「平均月給21万2500円」になりますが、標準報酬は「24万円」になります。これに(令和2年9月分になっちゃいますが)保険料率15.9%をかけた半額の1万9000円が負担額になります。

もし、4~6月の平均月収が21万2500円だったら標準報酬は「22万円」に設定されているので、約1万7500円が負担額になります。

さらに、稼ぎ時がズレていて、平均月収が20万円になったら標準報酬は「20万円」に設定されているので、1万5900円が負担額になります。

1万9000円ー1万5900円=3100円

2回くらいランチ行けるね!

これ、健康保険料も同様ですからね。大体倍になりますよ。

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って思う…。

不公正感②

収入が少ない層ほど、標準報酬が上がりやすい。

上のグラフで横軸の項目が左は詰まっているのに、右にいくほどスカスカしているのが分かると思います。

表にすると↓のようになります。

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月収10万そこそこだと8000円収入が増えると年金額が上がりますが、月収40万くらいになると3万ふえないと年金額が上がりません。

月収20万~30万程度の層で、収入が2万上がるたび1600円くらい年金が増えます。

この辺を見ると、「金持ちほど年金払ってねぇんだな」って感じます。月収63万5000円以上になると年金定額になってますしね。

これ、健康保険もそうですからね。標準報酬の表が違うんですけど、同じ方式です。

不公正感③

所得税みたいな非課税対象と控除対象がない。

所得税は「非課税」になる収入がありますよね。

私としては「交通費」が大きいです。

交通費って仕事に行くのに実費がかかっていますよね。なのに交通費も収入に含まれてるんですよね。

月収10万円のうち交通費1万円と月収30万円のうち交通費1万円は同じ重みですか??

実質収入は9万と29万ですよ?低収入ほど交通費の占める割合は大きいんですよ。

さらに、所得税は控除があります。普段差し引かれている社会保険以外に、自分で勝手に加入してる保険・年金も控除されます。

交通費とか社会保険料とかの実質収入になっていない分は抜きにして税金を決めます」っていう制度です。」

ちなみに、所得税のグラフも載せときます。これも月収に換算しています。

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No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁」の表から作ってます。

青が収入、オレンジは所得税でとられる分です。

累進課税で収入のポイントポイントで税率が上がります。これは7段階です。

日本では年収1億以上の収入がある人もそこそこいますが、税率が最後に上がるのは年収4,000万円のときで税率45%です。

年金のグラフより不公正感が低い気がしますね。

年金も保険も「かくあるべき」ではないかな???

不公正感④

年金も保険も「給与所得」にしかかからない。

もし、アルバイトを掛け持ちしていて、それぞれでそこそこもらっていたら、その人はすべての給与所得を合算して年金と保険を徴収されます。

しかし、投資や著作物で副収入がある人には年金と保険はかかりません。

「年金・保険」は「お賃金」から徴収します。という制度なのです。

健康保険の徴収額

と、ここまで年金についてみてきましたが、一応健康保険の方も載せておきます。

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令和3年度保険料額表(令和3年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会」から作ってます。標準報酬も載ってますよ。

私の抱いている不公正感は年金と同じです。

グラフを見ても年金と変わらない印象をもつを思います。

さらに、これは茨城の保険料率のグラフで、保険料率は各都道府県で違います。保険料は徴収するところと最終的に納入されるところが違うみたいですよ。

最終的に市町村に納入されます。平民には徴収にワンクッションいれる意味が分かりません。

都道府県の保険料率もグラフにしました。令和2年のやつなんだけど、大きく変わらないと思う。

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保険料率が低いトップ10

新潟    9.50%
富山    9.59%
福島    9.64%
群馬    9.66%
長野    9.71%
静岡    9.72%
岩手    9.74%
茨城    9.74%
滋賀    9.78%
千葉    9.79%

保険料率が高いトップ10

佐賀    10.68%
北海道    10.45%
鹿児島    10.36%
大分    10.30%
大阪    10.29%
徳島    10.29%
熊本    10.29%
香川    10.28%
長崎    10.26%
兵庫    10.24%

 

住む場所によって1%くらい違うんですね。

さらに40歳以上は介護保険料も払ってますから、負担額はもっと増えます。

社会保険についてグラフ化して感じたこと。

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「税金」は相互扶助、社会を維持するのに必要ということは前提として。

  • 健康保険って医療費の為に払ってるのに、住んでる地域によって負担額が違うってなんなの?どういうことなの?
  • 年金は払った額が増えるほどもらえる額が多くなるので、高収入層の年金納付額が割合的に少なくても不自然ではないのかもしれないけど、消費税上げてまで年金の補填をしようとしている動きからすると不自然になっちゃうと思う。
  • 年金も保険も「相互扶助」とすると、高収入層からの徴収額を増やしてしかるべきでは?
  • 給与所得者じゃない人は大体、「国民年金国民健康保険」に加入・全額負担にするのに対し、会社員は会社と折半になっているので、「人を雇うと『年金・保険』がかかって経営を圧迫する」という認識を持たれることが不満です。むしろ折半じゃなくていい。『年金・保険』分給料にしてくれと思う。全額負担してやるよと思う。
  • 国民年金」も収入に応じて徴収額を変えた方がいいと思う。
  • 勤務形態と収入形態で納入の割合が変わる点でも不公正感を覚える。
  • 煩雑な税制がウザい。
  • 年金も保険も税金。