ブリーフは純白

ブリーフをかぶった変態の独り言。インデザインや組版、デザインとか色とか、そういう界隈のこと。

【手作業のこと】絵を入れるフレーム(額)を木材で自作する。

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自分の絵や写真などの作品を額に入れて飾りたい、親馬鹿・作者馬鹿かも知りませんがそう思っちゃったりしますよね。

でもちょうどいいサイズがなかったり、オーダーするほど予算はかけられない・・・。そもそも市販品でも結構なお値段しますよね。

こうなってくると自作するしかないんじゃないか? フレームまでが自分の作品ということにもなるし、そういうのはやぶさかではないぞ、と思って作り方を調べてきましたが、なかなか難しいなと今まで自作するのをためらっていました。

そんな私がフレーム自作に踏み切って作り上げるまでのことを書いていきます。

今回は230mm四方のボードに5mmの余白を付けて作った砂絵用のフレームを作ります。

自作フレームのハードル

手作業大好きっ子の私が今までフレーム自作に踏み切れなかった理由は以下にあります。

  • ノコギリを使うのが下手・まっすぐ切れない
  • 直角をうまく組み立て、かかりを付けるのが困難そう

私にとってこの二つは大きな障壁です。

このサイト(額縁の自作を困難にする6つのハードル | 額縁のタカハシ)では自作フレームの難しさについてこう書かれています。

①斜め45度にカットできない。

 ⇒額縁が四角形になりません。
②組み上げられない。

 ⇒上に同じく、額縁が四角形になりません。
③かかりを作れない。

 ⇒ガラスやアクリルを付けることが難しい。
④デザインの自由度がない。

 ⇒無骨な仕上がり以外は目指せません。
⑤観賞価値を高める額縁が作れない。

 ⇒大切な品物はプロへの相談をおすすめします。
⑥アクリルなどの部材に思わぬコストが掛かる。

 ⇒買った方が安かった。。。なんてことも。

私の障壁は①②③です。

④⑤については自作する以上そこまで望んでいないし、そもそも高めるだけの「観賞価値」のある作品でもないし、発表する場でもないんです。絢爛豪華な額に入れる絵でもないし、荘厳な額を飾るおうちでもありません。

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⑥のアクリル、これも本当にその通りで、めっちゃ高くつきます。

ただ私の作品は砂絵なので、ガラスやアクリルはない方が作品の良さが伝わります。砂も落ちちゃったりするし、普段はPP袋に入れておいてガチ砂絵展の時のような場合にだけ出して展示すればよいので、ガラスやアクリルは必要ないのです。

でも、アクリル板については端切れを安く売っていることもあるので、ホームセンターなどチェックするとよいと思います。

というわけで、ノコギリを使うのが下手・まっすぐ切れない直角をうまく組み立て、かかりを付けるのが困難そうの2点についてどうやって解決したか書いていきます。

木材のカットを最小限に抑える。

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ノコギリで木を切るとき「キュイ~ン」とか「キュキュキュキュ」とか信じられない音がするくらいノコギリを使うのが下手です。

カットを最小限にするなら「斜め45度のカット」だけにするしかありません。

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ということは、細長い木材を買ってきて、↓のように切ればいいという結論になります。

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厚さ12mm、幅42mm(実測41mm)、長さ2000mmの木材を発見しました。

直角を組み立てられ、かかりを生み出すために。

フレームの組み立てを困難にする一番の要因は斜め45度にカットした木を直角に固定しなければいけないということです。

絶対に直角にする。

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↑のようにボンドを付けて固定できると思いますか?

正確に45度に切れないと隙間ができますし、↓縦にまっすぐ切れないとやっぱり隙間ができます。

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額縁の自作を困難にする6つのハードル にもあるように、Vネールチキリというもので組み立てるにしても隙間があったら使えないし、そもそも素人の制作環境・知識・技術では不可能なのは明白です。

そうなると隙間を気にせず直角に組み立てるしかありません

かと言って額縁の自作を困難にする6つのハードルで紹介されているL字金具を使うとかかりを付けられません

そこで、かかりにもなって直角を固定する手立てを講じるしかないのです。

薄い板を裏に貼る。

薄い板を↓のように貼ってしまえば!?と思いいたりました。

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裏面は壁に飾ったら見えません。

 

裏面は壁に飾ったら見えません。

 

裏面は壁に飾ったら見えません。

 

横から見るとこんな感じです。

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上が壁に向かう方で下が絵が見える方になってます。

上から緑はカバー、黄色が絵、赤は余白紙になります。

私の場合、絵も厚くないし、マットも可愛い厚紙でいいので、木の厚みは4mmのものを見つけてきました。

貧乏人なので、幅50mmの板を↓の方に切って無駄をなくします。

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直線カットがあるけど曲がってもどうせ裏面だし気にしません。

裏面は壁に飾ったら見えません。

材料仕入れとお値段。

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木材

木材は以下のようなものを購入しました。これでフレーム1個分になります。

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米松プレーナー:110円シナ合板:110円計220円でした。

絵が厚い、ガラス・アクリル板を入れたい、マットを使いたい場合はシナ合板にあたるものをもっと厚みのあるものにするか、何枚か重ねるといいと思います。

額パーツ

額の裏につける押さえパーツと吊るし用のパーツが必要です。

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上はトンボという名前らしいです。150円くらいでした。

下はD型吊カンというらしいです。250円くらいでした。

あと、紐ですね。1.5mで300円くらいのがあったんですが、貧乏人なので、ざらし紐70m・750円を買いました。

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その他

紙やすり(1枚30円くらい)とボンドもあるといいですが、私は家に残っていたので買いませんでした。

あと、ノコギリは追加購入しました。小さくて小回りが利きそうなのが売ってたので。1500円くらいでした。

他に、塗料はお好きなものを使うといいと思います。塗料はピンキリです。

 

材料は以上です。初期費用は結構かかりますね。懐がいたたたたたたたたた・・・

実作業

いよいよ実作業です。

材料のカット

木に線を引いてひたすら切ります。

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木を固定する器具なんてないし、ちょうどいい机もないから床で発泡スチロールの箱(お歳暮のアイスが入ってた)を台替わりに切っていきます。

上の写真を見てください。箱に四角い穴があいてるのが見えると思います。これは裏に貼る板を切るための穴です。

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貧乏人なので真ん中から切るためにあけました。木に少しずつ傷をつけると小さな穴があくので、真ん中からでも切ることができました。薄い板なので、結構簡単に切れます。

切り終わったら紙やすりで角を少し丸くします。

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斜めカットした部分はサカムケがなくなる程度でよいですが、長い直線部分は指で触って滑らかになる程度にはやすった方がよいです。触り心地的に。

あと木の表面もざらついてたので軽くやすりました。面倒なので、中目で終わり!

木の粉がつくので適当な布で綺麗にふきます。

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最初ティッシュで拭いたら悪化したので、布がいいです。

組み立て

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切った木を組み合わせて一番隙間ができない組み合わせを探します。

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こんな感じかなと思ったらボンドで貼っていきます。

このとき、パーツがズレないように押さえなどあるといいんですよね。でもそんなもの持ってないし・・・と探していたら見つけました。

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部屋のカド!

私の持つカドでここまで直角なものはないですね。ここに合わせて貼っていくことに決めました。

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こんな感じでボンドが乾くのを待ちます。

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重石。

塗装と隙間対策

乾いたらズレの具合などの確認をします。

  • 隙間がどれくらいできているか。
  • 角があっているか・はみ出していないか。
  • 木の厚みのムラで接合部に段差がないか。

木の厚みにはムラがあります。段差があったり、ズレ・はみ出しができてしまったら、紙ヤスリで削って滑らかにします。

結構はみ出した場合はノコギリで切っちゃいましょう。

隙間対策として、ヤスリで出た木の粉を詰め込む・ボンドを詰め込むで対応しました。おこづかいに余裕があったらちゃんとしたパテを使ってください。パテを詰めたらヤスリで滑らかにします。

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ここからは楽しい塗装の時間です。

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誤魔化し部分から隠すように塗っていきました。

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側面やカドなど塗りづらいところほど丁寧に塗っていきます。

気になるカドの仕上がりは↓こんな感じです。

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↑これが一番ひどい隙間でした。

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↑こっちはボンドを詰めて塗料で誤魔化しています。

↓こっちは比較的綺麗にできたものです。

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絵を入れる。

絵は マット - 絵と合紙 - 裏板 の順で入れていきます。

マットは難しいですね。ああいう厚紙が簡単に手に入らないし、斜めカットを綺麗にやるのは至難の業です。

裏板はベニヤみたいな木製の板やミラボードなどが市販品で見られますが、かかりが4mmだし、費用も嵩むので使いませんでした。

私は厚手のメタル紙をマット代わりに、裏板は2mm厚くらいのボール紙を切って使うことにしました。

ボール紙ってアレです。スケッチブックの裏についてたりするやつです。貧乏人なので、ああいうのとっといちゃうんですよね。

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構成はこんな感じです。

絵はフレームより小さいので合紙で囲って中でズレないようにします。

私は四角く穴をあけてますが、長い紙を四方に入れるようにしてもOKです。

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裏面はこんな感じです。砂絵は袋に入ってるのでマステで固定してもOKなのです。

金具の取り付け

こういう金具はネジで止めます。

ネジ穴はキリでキリキリしてあけるのがセオリーですが、私は釘を軽く打ち込んで穴をあけてます。

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こんな感じ。

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吊カンもつけるとこんな感じ。

それから紐です。

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チョウチョ結びも上手にできない奴の結び方です。

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結ばない、という選択。

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反対側はさすがに結びます。

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余った分もこんな感じでまとめておきます。

これが正しいかは分かりませんので、自分に合った結び方を検索してみてください。

完成

てな具合で完成しました。

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結構頑丈な作りになりましたし、ダイソーなどで売ってる破格のフレームより厚みと重さが出てしっかりしてます。多分材料費単価でもダイソーと張れると思います。

私はこのフレームを3日で8個ほど作れました。

ただ、電動ノコギリが欲しくなった!!!

翌日筋肉痛でしたし、汗だくになって作業して大変だったけど、やっぱり自分で作ったから、

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自画自賛しちゃう( ´艸`)

9月17日のハッピー展にも持っていこう!